ハーフムーンのカシミヤは天津で生産されています。

— Once upon a time in Roppongi…昔々六本木で。。。 —

つまり、カシミヤの製品は ㈱レ・アール時代 からずっと天津で製造していました。

もちろん、今も。そして、これからも。

ハーフムーン・デザインハウス㈱では、秋冬の素材としてカシミヤに1番力を入れて企画生産しています。

それはカシミヤが数多い繊維の中で、軽くて柔らかく、保温性、吸湿性に優れているだけでなく、美しい光沢を持っているからです。

この美しく希少な素材を使って、私達はハイクオリティな製品を皆さまにご提案しています。

カシミヤ繊維はアジア大陸の四季の寒暖の差が激しい、内陸部の高地や
山岳地方で飼育されている、カシミヤ山羊のうぶ毛です。

このような地方では冬の気温がマイナス30度近くまで下がり、
カシミヤ山羊のカラダにはその厳しい寒さから身を守る為、
通常の粗い毛の下に非常に細かいうぶ毛が生えてきます。

このうぶ毛がカシミヤの繊維になります。

このうぶ毛は春から夏に向かう気温の上昇と共に、抜け落ちてきます。

この抜け落ちる少し前に櫛の様な器具を使って集めます。

1頭から取れる量は100~150㌘ほどで、とても貴重です。

ハーフムーン・デザインハウス㈱では、品質管理の面で最も優れている中国産のカシミヤの原毛を使用しています。
(だから工場が天津市にあるわけですが…。)

余談ですが、天津飯と称される料理は日本における中華料理の中で
誕生したもので、中国には存在しません。

また天津甘栗という名称も日本だけで、市内には小宝糖炒栗子という
甘栗の名店があります。

余談はこれくらいにして、カシミヤ製品の製造過程のさわりをご紹介しましょう。

1.先ずは、編み立て。
編み立てと言いますのは、前身ごろ、後身ごろ、両袖や襟など、それぞれをパーツ毎に編み立てる事です。
カシミヤ素材は高価な為、糸のロスがない成型編み機でパーツ毎に編み、1枚の製品に仕上げていきます。

こちらも、編み立てです。

手横という編み機を人力で動かして編み立てていきます。

2.ここでは仕分けをしています。
仕分けとは、身ごろや袖など、1枚の製品に必要なパーツを、ロット違い(色の差)が出ないようにまとめることです。
同じワインレッドでも染めの段階で微妙な色さが出ます。
同じ色で編んだパーツをまとめて、製品に仕上げないと身ごろと袖の色が違うチグハグな製品が出来てしまいます。
このような初歩的ミスを防ぐ作業が仕分けというわけです。

写真の女性スタッフは身ごろ部分を重ねて、数量を
チェックしています。

3.続いて、目視による検品。
糸切れや編み目不良、成型不良がないか編地1枚ずつ丁寧に見て確認します。

糸に細い部分があった場合、編地がきれいにそろっていないことが
あるので、注意して見逃さないようにしています。

4.スチーム・アイロン
編地検品の後は、1枚1枚ていねいにアイロンをかけていきます。

編地は端がまるまってしまうので、平らになるようにしていきます。
これにより、各パーツをつなぎ合わせる際、サイズの誤差が出ないようにしています。

きれいにアイロンがけした後、寸法を測り指定寸法通りに
仕上がっているか、検査しています。

5.続いて リンキング。

リンキングは、それぞれのパーツをつなぎ合わせる作業です。
ニットは伸縮するものなので1本の糸で、くさり編みをするようにつなぎ合わせていきます。
こうすることによりアームホールや襟ぐりが伸びるようになり、着心地の良い製品に仕上がります。

6.ここではブランドネームと洗濯ネーム、下げ札を付けています。
その後さらに仕上げアイロンをして、検針器にかけます。
ここでは製品の中に万が一折れた針などが混ざっていないか、金属探知機で検査するわけです。
7.最後にライトを使い再度、目落ちや穴等が無いか確認しています。
8.検針器でOKになった製品は、袋詰めされて、品番別・色別・サイズ別に仕分けされ、パッキングされ出荷を待ちます。

ニット製品が出来るまでのながれをざっとお話しましたが、カシミヤが生地に仕上がるまでの製造工程はウールの約5倍かかります。

原始的な方法でうぶ毛をすき、グリージーからスカードへ、スカードからディヘアーへ。
幾つもの工程を経てカシミヤの製品は出来上がります。

すき取られたばかりのうぶ毛はグリージーと呼ばれます。
このグリージーを選別し、脂やよごれを洗い上げた毛をスカードと言います。

スカードは刺毛等の夾雑物を取り除く整毛工程を経て、純粋なうぶ毛だけのディヘアーとなり、このディヘアーに、さらにカード、紡毛を経て、各種製品となります。

カシミヤの加工工程の中でも、特に整毛工程は重要で、この工程は世界のカシミヤメーカーがそれぞれ企業秘密にしていることからも、
いかに重要かわかりますね。

カシミヤは基本的に綿の状態で染められます。これをトップ染めと呼んでいます。
なぜトップかというと最初に染めるからTOP染めです。

カシミヤと言えば、黒、グレイ、キャメルなどのいわゆるカシミヤらしいカラーが代表的ですが、
ハーフムーンのカシミヤはきれいな色とインターシャの柄、ボーダーの配色に特徴があります。

今年の冬はこんなカシミヤ達がデビューします。